白石麻衣が乃木坂46を卒業する。
卒業する不安を払拭したもの、それは!
恋は叶うのか!?
彼女の最後の仕事で、つぶやいた言葉。
僕の部下は生田絵梨花

いつも満員電車に乗る日(毎日だが)の朝は本当に億劫になる。
多分、僕だけではないだろう。と、思いつつ、いつもの電車に乗り込む。
なぜ、今日は切符を買わなかったのだろう。
この前の出来事を全て夢にしてしまうのか。
この前の出来事↓
楽しい時間を過去のものにしたいのか?
なぜ切符を買わなかったのだろう?なぜ…。
(怖いんだ…)そう思った瞬間、僕はSuicaで改札を抜けていた。
いつもの時間にいつもの電車に乗る。
今日もいつもと同じ場所で携帯からの音楽を聴いている。
そう、この前が特別だっただけなのだ。
「おはようございます!今日は時間通りですね(笑)」部下の生田絵梨花君だった。
まぁ、こういう事もイヤ味に聞こえないのは彼女の特権だろう。
「あ、今日の打合せよろしくね」と声をかけると同時に「了解です!絶対に成功させましょうね!」と、ある意味今日に限っては助かるくらいの声の大きさであった。
僕達は14:00の打合せへ向け準備し、昼食を兼ねて恵比寿へ向かった。
白石麻衣が初Suicaで電車に乗る

白石麻衣は回想していた。
「想い出すなぁ~。」
「学生の頃は毎日が平凡で、普通だった。でも今となってはこの芸能界が私の普通で、忙しいのも普通。」
ただ、先日の出来事は普通に心地よかった。
11:00、マネージャーに『今から向かいます。あ、今日は自宅に戻るので送迎よろしくお願いします。』とLINEする。
この前と打って違い、静かな駅。(いるわけないか…そうだよね)
そして初Suicaを利用し、思い出す自分にサヨナラした。
(電車だと色々な景色も見れるんだ。昔はよく眺めてたなぁ)卒業まで残り1ヶ月。
私は白石麻衣、乃木坂46の第1期生。
彼女はどこか覚悟を決めた表情で遠くを見つめていた。
僕のプロジェクト
13:30
昼食軽くすませ、打合せの恵比寿ガーデンプレスへ。
「あ、さっきはごちそうさまでした。意外と、オシャレなお店知っているんですね。さすが大人ですね。」と、部下の絵梨花は満面の笑みでお辞儀をする。
生田絵梨花23歳。
ドイツからの帰国子女であり、性格はおっとりしているが顔もスタイルも良い。
事実社内では人気者である。
だが、なぜか彼女は僕にまとわりつく…年末年始のプロジェクトもその前も…。
ま、深く考えても仕方ない。
実際、彼女がいるとなぜか商談も上手くいくのである。
よって今回は僕の推薦でサブについてもらっている。
その後、ようやく商談も始まり、今回の予備予算をどのように使い、その効果予測を練り始めた。
今回の雑誌のコンセプトは『もう一人の自分』である。
あらゆるアイテムや服を専属モデルにまとってもらい、そのシーンを撮影するというもの。
ただ、インパクトが弱い。
思い切って海外撮影も考えたのだが、リアリティに欠けるし、予算も時間も足りない。
読者が「かわいい、きれい」という感想ではなくもっと身近に感じて、「私もやってみよう!」と一歩踏み出すキッカケとなる特集にしたいのだ。
僕は…思わず立ち上がり、会社へ向かった。
夜19:00久々の残業。
大きく息を吸い、一通の手紙を書いた。
『突然のご連絡失礼いたします。私は…、世の女性は幾つもの自分を持っています。新しい自分への出会い、昔の自分、忘れかけていた自分。ただ、明日への自分に勇気を持てない女性もいらっしゃいます。そんな彼女たちに勇気を与えていきたい。そんなコンセプトで御社の…。是非ともご考察いただけませんでしょうか。』
届け、明日への想い!
1通の手紙の中に
扉をノックする音に気づき「はぁい」と答えた。
マネージャーから『少し時間いい?』と聞かれ、私はメンバーと別室で待機していた。
「麻衣さん、1つ仕事が入りそうなんだけど、少し迷っていて。直接意見を聞こうかと…」
いつもなら、ある程度決まった状態でスケジュールを教えてくれるマネージャーが珍しく提案してきた。
(あ、雑誌のモデルだぁ。久しぶり、あまり知らない雑誌だなぁ)
「いや、断ろうと思ってたんだけど、先方の手紙が気になって。どう思う?あと意味不明の切符も。今時切符は使わないよね(笑)」
私はおもむろに手紙の文面を見つめた。…えっ?
「…あの、これ受けてもいいですか?メールの文面もそうですけど、あ、最後の仕事は雑誌のモデルが良いかなって思っていて(苦笑)」
私は、胸の鼓動が速くなる事に自然と赤面した。
もしかして…これって?
1枚の切符を手にしていた。
【乃木坂→恵比寿】と書かれていた。
ついに来た、その日
4月
それは出会いと別れの季節。…だからなんだと思い、僕はほくそ笑んだ。
「あれ?なんかいやらしい顔してません(笑)」
思わず「へっ!?」と声を漏らした。
その瞬間、絵梨花の笑みが飛び込んできた。
「していません!さぁ行くぞ」いよいよ今日は撮影日。とはいってもこちらサイドはあまりやることはない。
基本コンセプト通りにいっているかを確認するだけなのだが、今日だけは少し意味が違った。(さぁ、仕事、仕事)
11:30
撮影場所は屋内と屋外。
時間は4時間のみ。
現場は多少の緊張があるものの、比較的良い緊張であった。
「白石麻衣さん、入りますっ!」
現場の緊張感と和やかな拍手の元、あの日と違う『白石麻衣』がいた。
一瞬、ほんの一瞬、目が合って軽く会釈した。ただ、それだけだった…。
やっと会えたね…
白石麻衣との距離
今回の雑誌のテーマは『もう一人の自分』
撮影も順調に進み、いよいよ最後の撮影場所へ。
移動中、絵梨花が「白石麻衣さんって、可愛いですね。」
「マネージャーはタイプですか?」
答えに困った顔をした瞬間、撮影スタッフから呼ばれた。
「少し、演出に協力していただけませんか?あ、写ることはないです。ただ、レンズの向こうを見つめるモデルさんの目印となっていただきたくて、テーマに沿いたいので。本人も承諾していますし、身内の人間以外では他にいないので。あ、大丈夫です。カメラの背後で真っすぐ前を向いていただくだけで構いませんので。」
その距離20mだろうか。
この前は、あんなに近く感じた白石麻衣がすごく、遠く感じる。
彼女は今、何を思っているのだろうか。
もう戻れないのだろうか?
いや、戻るべきではないのだろうか?
「それでは撮ります!」
白石麻衣が!
撮影再開後、残りワンショットの時に白石麻衣はつぶやいた。
それは無意識の出来事であった。
乃木坂46で歩んできた10年。
それはかけがえのないものばかり。
苦しかったし、きつかった。
でも後悔なんかしていない。
大切な仲間も、後輩もできた。
しっかりと支えてくれるマネージャーさんやスタッフさんにも恵まれた。
大好きだった歌もダンスも一生の想い出。
本当にありがとうございました。
私はシャッター音が切られる度に「様々なシーン」を想い出した。でも…
今からどうすればいいのだろう?
果たして自分の道をしっかりと歩けるのだろうか?
自分でやりたい事を決めていけるのだろうか?
新しい道は、どんな道なのだろうか?
不安しかない。
そう思うと、笑顔が消えてきた…。
「麻衣さん、ちょっと休憩しようか?」カメラマンも少し気づいた様子であった。
その直後、マネージャーが駆け寄ってきた
「麻衣さん、大丈夫?少しきつい?あとワンショットだから頑張れる?」
そんな優しい言葉をかけてくれたマネージャーに気づかず、
私の瞳は『あの人』を見ていた。
撮影は残りわずか。
(住む場所が違う人。でも、もう一度会ってみたかった。そんな私に勇気をくれた1枚の切符…。新たな一歩は不安だらけで、怖いもの。でも、きっとこうやって何かをキッカケに人は強くなれる!私はそんな人になりたくて歩んできたのかもしれない)最後のワンショット。
その瞬間、涙が頬を流れ彼女は呟いた…。
『好きです…』
白石麻衣の心は彼に向いていたのだ。
おわり
投稿筆者の感想
同時に2人の心情を考えるべきか悩みましたが。
いかがでしょうか。
カメラマンになった気分になれました。
ありがとうございました。
編集後記
白石麻衣の卒業後は、彼の中にあるようですね。
もちろん、これはフィクションです。
妄想恋愛小説は妄想が止まりませんね。
これからも、どんどん妄想恋愛小説がパワーアップしてくのでお楽しみに!
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