年下幼馴染の佐藤勝利がまさかの!?
病気になった時ほど、恋は熱い!?
今回の小説は、どんなドラマが待っているのでしょうか?
それでは、ご覧ください。
1人暮らしで高熱が出た
喉が痛い。
頭が重い。
薬を飲まなくちゃと重い頭を上げたけれど
そうだ、、もう食べ物がないんだ、、。
と、もう一度枕に頭を埋めた。
26歳、彼氏なし、一人暮らし。
高熱が出るとこんなにも辛いのか
遠い田舎の地にいるお母さんを思い出して涙が滲み出る。
やばいな、メンタルまでやられ始めた。
涙を拭くついでに鼻をかんで
ズキズキと煩い頭の音に
きつく目を瞑った。
その時鳴った玄関のチャイムの音。
いいや、無視無視。
誰かが来る予定もないし
宅配便も頼んでない。
重要な事ならまた来るだろうし。
開いた目を閉じようとした時、
ガチャガチャと鍵を開ける音がした。
不審者かと身構えもしたが、
すぐに自分の母親だと察した。
昨日の夜、高熱が出たことをLINEで送ったんだった。
心配してわざわざここまで来てくれたんだ。
安心して目を瞑ると
ドアの開く音
買い物をしてきてくれたのか、ガサガサと袋の音がした。
近づいて来る足音。
私の横に来ると、優しく頭を撫でてくれた。
泣きそう。
小学生時代を思い出し泣きそうになりながら
ゆっくりと目を開けた。
「お母さ、、ん!?え?」
目の前に現れた思わぬ人物に
思わず出てしまった変な声。
佐藤勝利が看病に

「え?なんで勝ちゃん?」
『誰がお母さんだアホ』
微笑みながら言った勝ちゃんの顔に見とれながらも
話についていけない私。
それに気付いたのか
ご飯作るから寝てな
と声をかけながらキッチンへ向かった。
『おばさんから連絡来たんだよ。りかが死にそうだからって」
「でも勝ちゃん仕事は?」
『夏休み』
「10月に夏休みか、、」
さすが人気アイドル。
『てかさ、りか姉ー冷蔵庫の中身、酒しか入ってないじゃん!』
「ははは、、。それは大人の栄養ドリンクだから、、。」
『はははじゃないよ。良かったよ買い物してきて』
少し文句を言いながらも
冷蔵庫に買って来たものを詰める勝ちゃん。
1Kの部屋に初めて感謝をしつつその行動を目に焼き付けた。
「、、、勝ちゃん料理出来たっけ?」
『まあね』
どうやら私の知っている不器用な勝ちゃんとは違うらしい。
リズムの悪い包丁の音を愛おしく思いながら聞いていると
安心してしまったのか、いつの間にか眠りについていた。
「、、、、、」
目を覚ますと、部屋の隅の方で爆睡している勝ちゃん。
火はきちんと消えていて、部屋の中も心なしか綺麗に。
よく考えたら1日お風呂に入っていないテカった頭や顔、
ぼさぼさの髪
疲弊している顔
体調を崩しながらも気合で食べたパンの袋が散らかった部屋。
せめてシャワー浴びてこよ、、。
ふらつく体をどうにか起こして着替えを用意していると
物音で起こしてしまったのか、勝ちゃんがむくりと起き上がった。
『どうしたの?』
「あ、、ちょっとシャワーを、、」
私の気まずそうな声に
さっきまで眠そうにしていた勝ちゃんの目がはっきり開いた。
「何言ってんの?!』
「顔とか髪とかテカってて恥ずかしくて、、」
『せめてご飯食べてからにして』
勝ちゃんはため息をつきながらそう言って
ご飯の準備をしてくれた。
「美味しそう、、」
目の前に出された煮込みうどんに思わず声が漏れた。
その言葉に勝ちゃんは満足そうに微笑む。
いただきますと手を合わせて口に運ぶ。
勝ちゃんの刺さるような視線には気付かないように、、。
「美味しい!」
お母さんが作ってくれたうどんの味に酷似していて、
察してしまったけれど、
その勝ちゃんの気持ちに更に胸が熱くなるのを感じた。
勝ちゃんを見ると嬉しいのか、でもそれを隠そうとしていて何とも可愛らしい顔に。
かなりお腹が空いていたのか、
うどんをぺろりと食べ終えてしまった。
「こうやって勝ちゃんと一緒に過ごすのいつぶりだろう」
『会うのも2年ぶりくらいじゃない?』
「2年か、、。そりゃあ勝ちゃんも大人になるわけだよね」
『りか姉も大人になっててびっくりした』
「私は2年前にはもうとっくに大人だったよ。勝ちゃんはさー、なんか男って感じになった。」
『本当にそう思ってる?』
「うん!だってさー、腕だってほら!骨っぽく、、、、」
腕をつかんで ほら と見せると
そこには顔が真っ赤の勝ちゃん。
私の表情に、自分の状態を察したのかパッと顔を反対の手で隠した。
『えっと、、、ごめん勝手に触って、、』
気まずくなり謎に謝りながら手を放すと、逆に勝ちゃんに両手を掴まれ
すごい勢いで自分の鼓動が高鳴るのが分かった。
目の前には真っ赤な顔をした、だけど覚悟を決めたような勝ちゃん。
これって、、、
告白
『俺さ!りか姉のことずっと』
「待って!言わないで!」
焦って言葉の続きを遮った私の声に
しん っと場が静まった。
なにかを読み取った勝ちゃんが、掴んでいた私の手を離す。
『ごめん、、』
「いや!違うの!」
謝る勝ちゃんに思わず私も声が大きくなる。
「ちがくて!私もしかしたら滅茶苦茶うぬぼれてるのかもしれないけど、、、」
勝ちゃんはポカンと私を見つめる。
「うぬぼれてたら滅茶苦茶恥ずかしいけど!」
間違えてたらどうしようと言う思いと
今言わなきゃ一生言えないという思いが混ざり合う。
勝ちゃんの手をグッと握って
震える声を絞り出す。
「勝ちゃんが好き!」
出し切った声。
ポカンとした表情に何も発してくれない勝ちゃんに、やってしまったと気付く。
だけどだんだんと赤くなっていく勝ちゃんの顔。
それにつられて私の顔もどんどんと熱くなっていく。
「私、間違えてない?」
『うん、、。間違えてない、、。』
「じゃあ何その顔は」
『いや、驚きすぎて、、』
「勝ちゃん顔赤い」
『りか姉も』
お互いの顔をみて
思わず笑ってしまう。
『りか姉』
「ん?」
『俺、りか姉の事』
「待って待って」
『何でとめんの?』
「こんなボロボロの姿で初めての好きは、、」
『はは、何それ』
「だってさ、今後、勝ちゃんがこの時の事思い出すじゃん?その時の私が髪と顔てかてかは嫌だ」
勝ちゃんは笑って
分かったと言うと私の頭を撫でた。
「この頭を撫でられるのは恥ずかしい」
『ごめんね。体調悪い時にこんな事』
「私の方こそなんかごめん」
取り敢えずシャワーを浴びてくる。
と、立ち上がると手を掴まれた。
下を見ると笑顔の勝ちゃん。
嫌な予感。
『りか姉、好きだよ』
真っ赤な顔で意地悪そうに笑う勝ちゃんを
私は怒れない。
編集後記
佐藤勝利に看病されて、告白までされて。
何幸せな光景ですね。
いろんな方から、妄想を書いてもらってますが、みなさん妄想が凄すぎです(笑)
妄想はタダですから、どんどん妄想をしていきましょう!
それでは、またです!
コメントを残す