防弾少年団のユンギと秘密の恋は留学で【妄想恋愛小説】

韓国で留学した時に、思いもしなかった出来事が起こりました。

いったいなにがあったのか?

特に目立ったようなタイプでもない普通の女性です。

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平凡な私

私はいま、韓国に留学中だ。

授業が終わり、カフェで勉強でもするかと片付けていた時だった。

「ねぇ、クラブ行ってみない?」

そう誘ってきたのは同じクラスの日本人、蒼井だ。

 

「いや…私はいいや」

「クラブなんて何だかコワイし、自分には場違いな気がして」と断ったものの、「じゃ、20時に駅ね」と話は勝手に進んでしまった。

(クラブって何を着ていけばいいの…)

 

オシャレにしてきてね!とアオイには言われていたものの、悩みに悩んで手持ちの服でおそらく無難な黒のワンピース、髪は何とか巻いて、メイクは…もうこれでいいや。

 

駅に向かうと、ひときわ目立つ美人がいた。

蒼井だった。

日頃からかわいいとは思っていたが、きちんと髪を巻いてメイクもしっかりしていて、肌にピッタリとフィットしたワンピースが、蒼井のスタイルをより一層引き出している。

 

ご飯を食べに行き、お腹も満たされ、ほどよくお酒も入った私たちは、いよいよクラブへ向かった。

隣の彼は

(うわっ、すごい人….)
人混みと大音量の音楽に、不安は一層大きくなるも、蒼井はお構いなしにどんどん先に進んで行く。

蒼井に手を引っ張られながら、何とかスペースのありそうな場所に落ち着いた。

どうすればいいのか分からずに蒼井を見ると、ノリノリで踊っていた。

 

私はといえば右も左も分からないまま突っ立ったままだ。
「うわ…キレイな人ばっかりだし、違う世界だ…」

 

早速帰りたくなり、蒼井に声をかけようとすると、同じタイミングで蒼井に声をかけた背の高い男がいた。

何やら蒼井は嬉しそうな顔をしている。

声がよく聞こえず、ぼんやりとやりとりを眺めていた私に蒼井は言った。

「VIPで一緒に飲もうって!この人イケメンだし、友だちもイケメンだって!」

 

VIPってなに、と言いかける私を無視して蒼井に引っ張られるままエレベーターに乗る。

イケメン好きの蒼井はいつになく強引だ。

部屋に通されると、数人が座っていた。

熱気がこもり、ごちゃごちゃしたフロアとは違って、落ち着けて座れたことはありがたい。

適当に座らされ、お酒を持たされ乾杯をする。

「日本人?韓国語話せる?かわいいね!」

 

矢継ぎ早に質問が飛び、答えるヒマもないが蒼井は隣のイケメンにはしゃいでいる。
(緊張するし慣れないし、やっぱり帰りたい…)

適当に相槌を打ちながらも内心ではそう思っていたその時だった。

”ガチャ”

扉が開き、男の人が入ってきた。

皆に挨拶を交わしながら、こちらをじっと睨むと私の隣に無理やり座る。
(こわい…)

 

隣に座ったくせに何も話さないし、気まずい。

耐えきれずに何とか話題を振ろうと顔を上げると、じっとこちらを見ていた。

鋭い目にすっかり怯んでしまった。もう耐えられない、帰ろう。

 

蒼井の方を見ると、口パクで帰るの?と言っている。

帰るよ、そう答えると蒼井はまた何かを言っていたが、音楽で聞こえない。

カバンを持ち、隣の彼にも「じゃぁ…」と一応告げて逃げるように部屋を出る。

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逃げた私を捕まえる

(どっから来たんだっけ…?)

お店は迷路のような造りで、何より蒼井について行っただけだから全く道を覚えていない。

ウロウロと迷っていると男から声をかけられた。

「何してんの?ひとり?」

 

男は相当酔っているようで、フラフラしている。

逃げようとするも、腕を引っ張られてしまう。

「一緒に飲もうよー!」としつこく、必死に抵抗するも力が強く逃げられない。

(あぁ、また私は帰れないのか…)

 

あきらめかけたその時、後ろから誰かに抱きしめられた。

掴まれていた腕が離れ、頭の上から声が聞こえた。

「お前、オレのに触んなよ」

低い声に怯んだのか、男は去って行った。

 

お礼を言おうと振り返ると、そこにいたのは、さっきの隣に座ってた沈黙の男だった。

「えっ…」

「いきなり帰るから追いかけたら連れ込まれそうになってるし」

何でこの人は追いかけてきたのだろう。

 

じっと見つめると、ふいっと顔をそらされた。

「気になったから追いかけた、ただそれだけ」

そう言って私の手を握り、外へ出るとタクシーに乗せられた。

 

突然「これ、オレの番号」

そう言って私の携帯に指を指す。

知らぬ間に、勝手に登録したらしい。

「家に着いたら連絡して」と言われた。

電話越しに伝わる

登録された番号を表示する。

すると、そこにはユンギと登録されていた。

あの人ユンギって言うんだ。

 

電話をかけると「着いた?」

『さっきは、ありがとうございます。』

そうお礼を言うと「おやすみ。また明日!」

そう言って電話を切られた。

なんだよ、連絡しろって言ったのはそっちじゃないか。
(また明日…?)

翌日も、翌々日も電話はかかってきた。

 

それから時間はバラバラだが、電話は毎日かかってきて、会話も少しずつ伸びていく。

そんなある日の電話はいつもよりどことなく緊張感があった。

 

「今から会える?」

言われた場所へ向かうと、そこにはユンギがいた。

 

毎日電話をしていたとはいえ、会うのは2回目で変に緊張する。

長い沈黙を破ったのは、ユンギだった。

突然「オレと付き合ってくれない?」

唐突な言葉に戸惑っていると、ユンギは続けた。

「最初に見たときから気になって、彼女になってくれないかなってずっと思ってた」

 

毎日の電話で何となく私の事、好きなのかなぁとは感じていた。

短くてぶっきらぼうでも、言葉や声色がやさしかったからだ。

私はコクっと頷き、ユンギの手を握ると、力強く握り返してきた。

 

それから数日後、一緒にご飯を食べていた蒼井が突然、思い出したかのように「あっ!」と大声を出した。

そして蒼井は『この前、隣にいたイケメンの人BTSらしいよ!!」とヒソヒソ声で言う。

”らしい”というのは、私と蒼井が韓国に留学しておきながらアイドルに全く興味がなかったからだ。

 

それでもさすがにBTSの名前くらいは知っていた。

あの日の告白後、スマホの画面を見せながら「これオレ」と、ふふふと笑いながら教えてくれたのだ。

ユンギは「おれを知らないなんて、オレもまだまだだなー」とか何とか言っていた。

 

蒼井は「あの人と何かあった?」

『ふふふ、なんでもなーい。』

誰にも言わないんだ、これは大切な恋だから。

ファンシーな世界

忙しい彼とはなかなか会えない。

意識をして見渡すと、街中に彼の写真がある。
(なんで今まで気づかなかったんだろう…)

それでも毎日必ず電話をくれる。

 

メッセージでもいいのでは?と一度提案したこともあった。
しかし彼は、直接声を聞いた方が安心する。と言ったのだった。

 

そんな風に月日は流れ、私たちはまもなく100日を迎えようとしていた。

韓国では100日記念はとても重要な日らしい。

ネットで調べてみると、いろいろなサプライズがあるらしく、その派手さに苦笑したものの、自分に置き換えてみると少し羨ましくも思える。
「ユンギのことだから、記念日とか疎そうだな…」

 

学校へ向かっている朝、ユンギから電話がかかってきた。
「今日、夕食一緒に食べない?」

わお、珍しい。

今日は余裕があるんだな。
カフェで待っているよう言われる。

ユンギと夜ご飯なんて久しぶりだなーと思いながら、学校を終えた私は言われたカフェへと向かう。

課題をしているとコンコン、とテーブルが鳴った。

ユンギだ。
「待たせた、行こうか」

どうやら今日は食べたいものが決まっているらしい。

ついて行くと、そこはホテルだった。

「えー!こんな素敵なホテルでご飯ならもっとオシャレして来たのにー!」と頬をふくらます。

 

そんな私をなだめるような頭を撫でながら、ポケットからカードキーを取り出した。

「今日はこちらでディナーです」

 

ユンギが部屋の扉を開ける。

恐る恐る入ると、そこにはたくさんの風船が。

思ってもみなかった光景に言葉を失っていると、後ろからユンギが声をかけてきた。
「今日、100日だから」
手には可愛らしくもセンスのある花束を持って。

 

疎いのはユンギではなく、私だった。

あんなに調べたのに100日のことなどすっかり忘れていたのだ。

「何か言えよ、ポカーンとしやがって」

 

ユンギがこんな可愛らしいことをしてくれるなんて、思ってもみなかった。
「ごめん、あまりに可愛くて。ありがとう」

花束を渡すとユンギがそのまま抱きしめてきた。
「こんなオレだけど、これからも一緒な」

 

同じことを思っていた。力いっぱい抱きしめ返す。
二人でふふふと笑い合う。

今日の夜は特別スイートだ。

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編集後記

読み進めていくと、ほんわりして、とても癒されていきました。

女の人は、イケメンを見つけるとガッツリ攻める人が多いですが、彼女のように平凡な方がイケメンは好きなようですね。

とても、ためになった妄想恋愛でした。

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