白石麻衣の本当の卒業の理由がまさかの!?パート1【妄想恋愛小説】

ある日、偶然に出会った。

そこで、出会った人は?

まさかの!あの人!

そして、二人はいったいどうなっていくのか。

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出会い

「ごめんなさい」

彼女と出会って2度目の「ごめんなさい」は、私の心にゆっくりと腰を下ろした。

最後の「ごめんなさい」として。

 

あれは暑い夏、まるで何かに突き動かされるように私は走っていた。

「や、やばい人生初の遅刻だ!」

ようやく駅に辿り着いた私は気づいた。

Suicaを忘れた事に!

いや、仕方ない『切符』だ。

 

普段、切符等買わなくなったなぁと、ほくそ笑みながら券売機前に着くと、そこは人だかり。

しかも電車は次を逃すと完全な遅刻。

渋谷まで240円と、呟きながらふと、前に目をやると1人の女性が。

 

しかし、そんな事はどうでもいいっ!

早くどいてくれと願うものの、その女性は携帯で何かを調べながら模索中であった。

(は?ちょっと、まだ?)心の声が今にも声になりそうな時、

私の後ろから野太い声が聞こえたのだ「姉ちゃん、まだ?急いでよ!」

 

一瞬、ウザッと思いながら、少し同感とも思っていた。

が、その次の瞬間とんでもないことが起こったのだ。

 

謝罪しようと振りむいた女性は『白石麻衣』だったのだ。

「ごめんなさい」と軽く頭を下げ、また券売機に向かう。

 

私の脳裏には様々な憶測が浮かんだ。
(いや、こんな所にいる訳がない。似ている人だ。そうに違いない)

デビュー当時からファンだった私はそう自分に言い聞かせていた。

心は落ち着かないまま…。

 

ふと、我に返った。

いや、それどころではない、早く切符を。

 

その瞬間私は彼女に向かってこう言った「あの、どちらまでですか?え?渋谷ですか?分かりました、ちょっと失礼します」

私は渋谷行の切符を2枚購入し、彼女に渡し、改札を抜けた。

(やばい、本当に間に合わない!)声にならない声を押し殺し、ホームに鳴り響くベルを耳にした。…間に合わなかった。

 

ふと後ろに気配を感じて振り向くと、息を切らした白石麻衣がいた。

それは遅刻と引き換えの「プレゼント」だったのかもしれない。

いや、そう思わないとやってられない。

 

息を切らし、何か言いたげな彼女を横目に会社へ電話した。

勿論、怒られた。

 

仕方ない普通電車で行こう。と、乗り込もうとした瞬間に彼女が

「私のせいで遅刻ですか?本当に…」と言い終わらない瞬間に「違いますよ、遅刻の理由は私の寝坊です(笑)」と告げて乗り込んだ。

彼女も一緒に。

恋愛特急

基本朝の通勤電車は一杯であったが、この日は普通電車ということもあり、かろうじて2席並んで空いていていた。

おもむろに並んで座るようになる。

ここで私の心臓は一気に走り出す。(あ、隣にいるのは『白石麻衣』だよな?違うか?妄想か?電車乗るのか?…でも似ている)

 

渋谷まで各駅停車の場合、だいだい40分。

降りる駅は一緒、とすれば先に本人かどうか聞いてみよう、その後の事は後で考えよう。

(よし!)私は心の中で覚悟を決め、質問したのだ。

「あの、間違っていたらすみません。ひょっとして白石麻衣さんですか?」

 

俯いていた彼女が小さく「はい。」と頷いた。

【私は白石麻衣の隣にいる】その事実があり、多少の会話をしたという事実もある。

 

「イメージと違います?」少し笑顔で質問してくる彼女に戸惑いつつ、「いや、似てます?あ、似てますではなく。イメージ通りです。あ、イメージはですね・・・」

周りにバレない様に言葉を選びながら、なぜか自分の生い立ちから話し始めた。(あ、何を言ってるんだ私は)

でも、そこには笑顔の白石麻衣がいた。

私の話を一語も漏らさず聴き入ってくれている白石麻衣がいた。

普通電車より遅い電車はないのかな?

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渋谷駅経由

会話は少しづつ実を結び始めた。

私の話は一旦落ち着き、今朝の出来事を聞いた。

「普段電車ですか?しかもこんな時間に?」

「え、実は今日は実家から仕事場に行く途中なんです。昨日マネージャーさんが『迎えに行くから』と言ってくださったんですが、私正直電車に乗ってみたい願望があって。で、今日は初チャレンジだったんです。でも、失敗しちゃいましたけどね(笑)」

 

普段テレビで見る彼女と違う点があった。

それはどこにでもいる普通の女性だった。

その風貌や話し方・リアクションを見る限りは。

だから周りの人も気づかないのかと感じた。

 

「あ、でも今日切符の買い方覚えましたよ。あ!切符代っ!」

思わず大きめの声を出した瞬間、周りの人がこちらに気づいた。

さらに恐れていたことが起こったのだ。

少し離れたところにいた男性(20歳位)が、携帯でこちらを撮ろうとしているではないか?

とっさに気づいた私は彼女の手を握り、「違う車両に行こう!」と引っ張った。

この状況をSNSでアップされたら「白石麻衣」に傷がつく。

素直にそう思ったが故の行動であった。

 

3、4両移動した後、私は手に温もりを感じて慌てて手を離した。

「す、すみません。つい…」

彼女は笑っていた。

「このまま、電車を飛び降りるかと思いましたよ。ありがとうございました。助かりました。」

次の瞬間、ホームから「渋谷」という文字が見えた。

「着いちゃいましたね。なんか楽しかったです。私、電車が好きになりました…今日は」と彼女が言いかけた瞬間、

何を思ったか私は名刺を渡し

「良かったら、今度一緒に食事でも!」と言い放ったのだ。

 

意味が分からないと即後悔しつつ、彼女は「ごめんなさい」と呟いた。

今日2度目の「ごめんなさい」だった。

 

そのまま彼女は雑踏の中に消えていった。(だよな)と呟き、職場へ歩き出す。

ようやく長かった1日も終わりを迎えようとした。

 

しかし、朝の出来事が未だに私を笑顔にする。

そこへ事務の方が「これ、さっき受付に届きましたよ。男性の方からですが」

見慣れない差出人不明の封筒。

恐る恐る開けると、中には1枚の切符「渋谷→青葉台」。

裏には手書きで18:15とメモが。

私は迷わず、定時で退社した。

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編集後記

白石麻衣とその後、どうなったか気になりますね!

18時15分発の渋谷駅に乗って青葉台に向かって、どこで食事をするんでしょうかね。

【妄想恋愛小説】白石麻衣の本当の卒業の理由がまさかの!?パート2
【妄想恋愛小説】白石麻衣の本当の卒業の理由がまさかの!?パート3

二人の運命はどうなったのか?

電車にふたりは会えたのか。

 

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