防弾少年団ジンに抱きしめられて壁ドン【妄想恋愛小説】

防弾少年団ジンが耳元でささやく

ジンに壁ドン

私の顔にジンの顔が私の目の前に

ジンが私にキスを

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卒業旅行で韓国へ行く!

親友の美由は大のBTSファン。

防弾少年団が大好き。

日本ツアーには必ず行くし、グッズもたくさん持っていていつも話題にしているから、BTSファンでない私でもメンバーの顔と名前は憶えてしまった。

だから卒業旅行先も美由の希望ですぐさま韓国に決まった。

私は神社とか仏閣が大好きで、休みの度に京都や奈良の巡りなどをしている。

だから韓国の古い建物にもとっても興味があって、なかでも景福宮(キョンボックン)を楽しみにしていた。

景福宮は李朝時代の正宮。

昔の王様やお姫様が住んでいたんだって。

その景福宮で韓服を来てたくさんの写真を撮ろうと行く前から美由と話がお盛り上がった。

そしていざ韓国へ!

韓国へ行き、景福宮に行く前に韓服のレンタルショップへ行く。

沢山ある韓服に私も美由も大盛り上がり。

そしてクグ推しの美由は赤の韓服、私は薄いピンクの韓服がとてもかわいくてそれを選んだ。

丈の短い上着のリボンを前で結んで、銀の刺繍でたくさんの花が描かれたスカートにペチコートをいれてふんわりとさせて、髪飾りもしてすっかり気分は李朝のお姫様!

われながらすごくかわいい!

 

すっかりお姫様気分で景福宮に入っていった私たちは、広い景福宮の中では二人で一緒に写真撮影可をしてはしゃいでいた。

時折、通りすがりの観光客から写真を撮っていいかと声をかけられて「かわいい」といわれて余計に気分が持ち上がる。

 

しばらく景福宮の中を歩き回っていたら、広場の方に人が集まり始めた。

「衛兵交代式が始るんじゃない。イケメンがいるらしいから、ちょっと行ってみようよ!」

美由に引きずられるように言ってみると、なんと衛兵交代式ではなく防弾少年団が撮影中!

韓服を着て撮影するBTSに広場に集まっている人たちがみんな大盛り上がり。

「ねえ、クグの韓服も赤よ!うれしい!」

美由はクグと同じ韓服を着ていることに余計に盛り上がっている。

 

BTSのメンバーはそれぞれ違う色の韓服を身に着けている。

「私の同じピンクを来ているのは…、ああ、あれはたしかジンだっけ。」

私はそんなことを思いながら美由と一緒にしばらく撮影を眺めていた。

でも当然スタッフが周りを強固にガードしていているから遠まきに眺めるだけ。

壁ドン

私は撮影を眺めていることに20分もするとさすがに飽きてきてしまった。

でもBTSファンの美由はリアルでみる撮影にあいかわらずくぎ付けになっている。

「美由、ちょっと他を見てくるね」

「うん…」

美由は生返事、きっと聞いちゃいないな。

 

夢中になっている美由をその場に残し、私はまだ見ていない緝敬堂(ジプキョンダン)へ行くことにした。

緝敬堂はお妃さまが住んでいたところ。

こんなところで一度でいいから生活してみたいな。

撮影に人が集まっているからか、緝敬堂にはほとんど人がいない。

 

私は周りに人がいないことをいいことにすっかりお姫様気分で軒下を歩いたり、階段を上ったりして自撮りをした。

高床になった建物の下をスカートの裾をつまんでくぐったりながら、韓国ドラマのなかで好きな人に追いかけられてこんなところをくぐるシーンがあったななんて思っていた。

建物の一角に、大きな扉の陰にちょっと人目に付かない場所があるのを見つけた。

「こんなところで恋人を待っていたのかな。」

 

私もその大きな扉にもたれかけ壁ドン風に写真を撮ってみた。
なかなかいい感じ。

壁ドンでキスを迫られている風の写真も何枚か取る。

ちょっと恥ずかしいけど、誰にも見せなければいい。

もちろん美由にだって見せないつもり。

 

そろそろ戻ろうと行こうとした時、

「あれ??痛い!」

私はその大きな扉から離れることができなかった。

髪の毛が扉の飾りに絡まってしまったのか、身動きが取れない。

「え、え、どうしよう!!」

 

焦りまくって自分で何とかしようと頭を動かしてみたり、手を伸ばして絡まった髪をはずそうとしてみたりといろいろやってみたけどどうしても取れそうにない。

 

自分ではどうにもならず誰かに助けてもらいたくてもあたりに人はいないし、美由に電話しても撮影に夢中なのか気づいてくれない。

「どうしよう…?」

私は途方に暮れていた。
その時、

「??? ??」

突然、男性の声がして韓国語で話しかけられた。

「あ、あの、すみません、たすけてください。」

 

ああ、もう日本語だけどいいや!

通じないかもしれないけどお願いをしてみる。

なにしろ声のした方を向こうにも髪の毛が絡まっていて向くことができない。

「もしかして、日本の方ですか?」
「は、はい。」
「どうしました?」
「あ、あの・・・髪の毛がからまって・・・」
「ああ。」

するとその男の人が私の前に回り込んだ。

「本当だ、ひどく絡まっていますね。」
「ごめんなさい、取っていただけますか。」
「わかりました。」

彼はそういうと、私の前に立った。

背が高くてすらっとしているその人はピンクの韓服を着ている。

「まさか…」

私は上目使いにその人を見ると…、BTSのジンだった。

「え?ジン!」
「はい、そうです。僕のこと知っているんですね。嬉しいな。」

ジンはそういうと左手を壁につけて右手で私の頭をそっと触る。

いい匂いがした。

私は絡まった髪の毛のせいで顔を動かすこともできない。

 

このポーズって、さっきまで妄想していた壁ドンを同じ!!

ジンの右手が私の髪の毛をなでるように優しく触れて撫でるように触っていく。

「ちょっと、動かないでね。」

そして、私の頭の後ろをのぞきこもうとしてジンの顔が近づいてきた。

「大丈夫、痛かったらいってくださいね。」
「だ、大丈夫」

私の右耳にジンの息がかかる。

 

ジンってこんなにかっこよかったっけ。

これまでさんざん美由に見せられてきたけど、写真やビデオの数百倍も本物はずっとずっと素敵!!

美由、これまでBTSオタクとか馬鹿にしててごめんなさい!

 

ジンがめちゃめちゃ、かっこいいんだけど、どうしよう。

もう、私の頭の中はパニックになっている。

「あれ、思ったようにはとれないな。」

 

ジンは右手だけでは無理と考えたのか、両手を使って髪の毛をはずそうとした。

その時、半歩身体が近寄る。

私はまるでジンに抱きしめられているようになった。

 

ジンと私の間にあったかい空気の層ができる。

「もう少しがまんしてね。」

ジンが私の耳元でそうささやく、ジンの優しい息が私の耳元にかかる。

「ちょっと、ごめんね」

 

ジンはそういうと、さらに近寄った。

私の顔はジンの胸にうずまってしまう。

「うわ~~」

興奮して思わず声を出してしまう。

「あれ、痛い?」

 

その体制でジンが私の顔を覗き込む。

目の前にジンの顔がある。

あと数センチ近づいたらキスが出来そうな距離。

「う、ううん、あ痛!」

思わず首を振ってしまい髪の毛が引っ張られた。

顔をしかめ、頭に手を持って行った私。

「もうちょっとでとれるから、もう少し我慢してね。

 

ジンはやさしく私の手を握る。

「さあ、手をおろして」

 

ジンは握ったまま私の手を彼の腰のあたりにもっていった。

「手はここね。痛かったら、僕をつねっていいよ。」

ちょっといたずらっ子のようにそう言う。

 

どうしよう、もうドキドキが止まらない。

私はどうしていいかわからずジンの韓服の裾を弄ぶ。

あいかわらずジンの手がやさしく私の頭に触れている。

 

ジンの息遣いが耳元で聞こえる。

優しい時が流れる。

 

「さあ、取れましたよ。お姫様」
「ありがとうございます。え、お姫様」
「僕たちはおそろいの韓服を着ているでしょ。まるで隠れてデートをしているみたいですね。」
「あ…。」
「だから、あなたは私のお姫様です。」

 

うわ~、どうしよう。お姫様って言われた!!
そして、ジンが聞いてきた。

「ねえ、お姫様」
「え?」
「どうしてこうなったの?」
「あ、写真を撮っていて。」

「へえ、どんな写真。」

 

ジンが私の耳元でささやく、舞い上がった私はさっき思わず写真を見せてしまった。

さっきまで一人で撮っっていた妄想壁ドン風写真だ!

「あはは、ひとりでこの写真を撮っていたの。かわいいね。」

ジンは愉快そうに笑った。

「あ、えっと…」

誰にも見せるつもりがなかったのにしまった!

「あの、その…。」

 

するとジンは私から携帯を取り上げて、壁ドンポーズでシャッターを切った。

「え??」
「せっかくおそろいの韓服をきているんだから、いいでしょ。」

ジンはそういうと、今度は私を抱きしめてもう一度シャッターを切る。

「さあ、お姫様。もう扉に捕まらないでね。」

 

ジンは私の頭をもう一度撫でた。
そして私の右手を取り、跪く

「では姫、私は行かねばなりませんので。」

ジンは私の手の甲に軽くキスをして去って行った。

しばらくの間、私は呆然として固まっていた。

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ジンさよなら

気づいたら携帯がなっている、美由だった。

「ちょっと、どこにいるの?」
「あ、あの…、今から戻る。」

広場へ戻るとまだそこでは撮影が終わりBTSのメンバーが引き揚げていこうとするところだった。

そのなかにジンの姿があった。

「防弾少年団って、やっぱりかっこいいよね!!」

美由がささやく。

「うん。」

 

それまでK-pop興味のなかった私だけど、今日は心からそう思う。

BTSのメンバーは去り際に集まっている人たちに手を振ってくれた。

「クグ!!」と美由は大声で叫び手を振った!

 

私も思わず「ジン!」と叫ぶ。

その声にJINがこちらを見た。

そしてにこやかに手を振ってくれる。

「こっちを見てくれた!!」

美由をはじめ私の周りにいた人たちから歓声が上がる。

でも、ジンのあの笑顔は私に振ってくれたのだと確信している。

だって、ジンの口元が「姫」と動いていたのを私は見逃さなかったから…。

「ありがとう、ジン。私の王子様。」

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編集後記

妄想度が高くて、凄いですね。

ジンは、きっとあなたの元へ帰ってくるんじゃない。

ジンと壁ドンやってみたいね~

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