山下智久と恋愛しちゃいました。
運命の出会い
「ヒマすぎる、、、」
雲ひとつない、こんなに気持ちよく空が晴れる日があるものなのかと思ってしまうくらいの久々の晴天。
(そおいえば昨日、綺麗なお天気お姉さんがテレビで今日から梅雨明けって言ってたっけ⁉︎)
とはいえ、梅雨明けにふさわしい日なのに私にはショッピングに行く友達も、デートをしてくれる彼氏もいない。とは言え、飲みに行く男友達はいるから、別に寂しい女なわけではない。
ただ、親友の綾乃は彼氏ができたばかりだし、葵は彼氏と絶賛同棲中なのでなんとなく、なんとなく誘いにくいのだ。
(こんなに天気がいいなら、ビールでも買いに行くか!!)
っと、重い腰を上げてキンキンに冷えたビールを求め、私は外に出かけた。
私は、缶ビール二つとチョコレートを買って土手に向かった。
土手といっても別に田舎に住んでいるわけではない。
東京まで急行で17分だから、まぁベットタウンといった感じ。
私は、この場所が好きだった。
家でもない、安い居酒屋でも、高級なバーでもない。
ただ、ランニングしている人とか、散歩しているおじいちゃん、おばあちゃんを見たりしながら、のんびりビールを飲むのが好きだった。
「めずらしいですね。昼からビールですか?(笑」
(なんだこの人、ナンパ⁉︎いや、こんなとこでビール飲んでる女に声かけないよな、、、)
私は、目線をその声の持ち主に向けた。
スラッと長い足、クシャっとした髪、ランニング姿の彼は、テレビでも何度も見たことある、山Pこと山下智久似のイケメン。
似ているというより、本人といってもおかしくない。
(流石にバカでないと思うし、こんなところで普通にランニングしているわけないだろう…)
「あっ。ここ好きなんで…。よかったら飲みます⁉︎」
「いいの⁉︎ありがとう。」
彼は、ランニングして乾ききった喉を潤すように美味しそうに飲み干した。
それから、私たちは意気投合し、何気ない会話を夕日が落ちるまでした。
私は彼の名前を聞かなかった。
彼も聞いてこなかったし、聞かないほうがいい気がしたからだ。
そして、それぞれ家路に着いた。
これ、このなんともない出会いこそが私の運命を帰ることになった。
溶けないチョコレート
あの出会いから、私たちは何回かその土手で会うようになった。
別に約束していたわけではない。
行かない日もあった。
ただ、彼との時間は楽しくて、バイバイする度に私は、また会いたいと思うようになっていた。
また、片手にビールと2人話していた。
すると、下校中の子供が明後日このあたりで開催される花火大会の話をしていた。
「俺、花火大会とかいったことないや。やっぱり楽しいの?」
私も、花火大会のスポットでは見たことがなかったが、この場所はなぜか誰も知らない隠れ花火スポットということを知っていた。
断られる気もしたが、私は試しに彼を誘ってみた。
「ここ、綺麗に花火見れるんだよ。明後日、気が向いたら来たら?」
「そうなんだ。覚えてたら来るわ。約束はちょっと…」
「別に、教えてあげようと思っただけで、無理にとは思ってないから…」
私はなんとかこの場を乗り切ろうと、次の話題を探しつつ、どうにか丸く収めて帰ることで頭がいっぱいだった。
(なんで、あんな余計なことを言ったのだろうか…別に好きとかじゃないから、私には関係ないしどうでもいいけど…)
時は過ぎ、花火大会当日。
私は浴衣の帯を母に結んでもらった。
誰に見せるわけでもなかったが、夏が好きな私としては、浴衣を着て楽しみたかった。
そして、いつもの土手へと向かったのだ。
彼に会いに行くわけではない、ただ毎年の自分の恒例行事だし…そして、この後は大体恋に破れた友人たちの悲しみを一晩中聞いてやるのだ(笑 私は、二人分。いや飲み直し分。多めにビールを買って向かった
待てよ、、、土手にはすでにみた事ある。
いつもの彼が今日はランニング姿ではなく、浴衣を着て座っているではないか。
私の特等席に…彼が、この前の微妙な空気のことなんて何も覚えていなかったかのように言った
「本当に秘密の場所だね。場所取り必要なかったよ(笑)」
そういうと、彼は私にビールを手渡し、
「これね、俺のオススメ。誰にも教えてないから、本当にキミしか知らない」
私は彼から受け取り、横にちょこんと腰掛けた。
(何これメチャメチャデートみたいじゃん。いや、誰も知らないって。そんなにみんなに知られてるか普通。って、浴衣姿カッコよすぎる。)
「浴衣似合うね。なんか違和感ない。デートってドキドキするんだねこんなに。誘ってくれて、ありがとう。ランニングしてて、こんなに可愛い、少し抜けてる彼女に出会わせてくれて、感謝しなきゃね。」
(???????彼女?どういうこと?意味がわからん…)
ヒュ〜、、、ドド〜ん。
花火が打ち上がり、その勢いに圧倒されるように、私たちは打ち上げ花火に見入った。
そして、すこし間が空き、彼がまた口を開いた。
「キミがはじめて。急に見知らぬ僕にビール渡してきて、連絡先どころか名前も聞いてこない。どう考えても、僕が誰だかなんて、わかっていたはずなのに、キミは一度も聞いてこないし、普通ってやつができてすごく嬉しかったんだ。」
「えっ。本物?本人なの?、場所も場所だし、巷で有名なそっくりさんかと…(笑)」
すると、彼はクスッと笑い、袋から何かを差し出してきた。
「やっぱりキミ最高。僕は山下智久。本物です(笑) 普通ってのは、俺が言うのもなんだけど難しいと思う。でも、キミともっと一緒にいたい。楽しい時間を過ごしたい。俺の隣はキミであって欲しい。これは、お付き合い1日目の記念日プレゼント。この暑い中、いつもチョコ溶けちゃって悲しそうな顔してたから。そんな、すこし抜けたキミに。チョコとビール見るたびにキミを思い出すんだ。なんか、僕の中でキミは特別なんだ。」
彼の手には、‘夏でも溶けないチョコ’と書かれたチョコが握られていた。
「受け取ってくれますか。俺の彼女?」
もう。感動で言葉にならず、私はうんっと頷き、彼の胸に飛び込んだ。
秘密のデザート
あの日のことは、正直よく覚えていない。
未だに信じられず、現実味がない。
だって、起きたらあのイケメンが、テレビの奥でしか拝めない山Pが隣にいるなんて。
ドキドキが1日中止まりません。とは言っても、本当に私でよかったのか。
遊ばれているのではないかと、ついつい思ってしまう。
なんとか少しでもいい女を目指そうと、毎回おしゃれ料理を研究して作る。
お家デートも、プレッシャーだ…。
すると、トモ(私は山Pとは呼ばず、共にと彼女っぽく呼んでる)が、
「ねえ。こっち。俺んとこ来て」
私は、夕飯の支度の手を止め、彼の座るソファに向かった。
「ねえ、バカなの?みんなが言う理想の彼女像なんてお前に求めてないよ。不器用なのに一生懸命俺のためにやってくれてるの知ってる。まあ、そお言うところも好きなんだけどね。でもさ、一緒にいる時は俺のそばにいろよ。一緒に、ビール片手にお前の好きなチョコレートと一緒にさ。夕飯なんて後でいい…。とりあえず…」
クイっと、彼は私の顎をよせ、私に甘いキスをした。
ドキドキが止まらなく、赤くなっている私の顔をみてトモが
「お腹すいた。おしゃれなのじゃなくて、お前が作る卵焼きがいい」
そう言って、私を離した。
なんて私にしか見せないワガママぶりが本当は嬉しい。
「ったく、可愛すぎて調子狂うわ…。」
って、トモがボソッと言った言葉にきずかないフリをした。
(意外と、可愛いんだよなそう言うところ。^^)
私が普段作っている、THEビールのおつまみですって感じのものをつまみに、ビールで乾杯。
(本当にこんなもので、よかったのだろうか。このイケメンと付き合ってなくても、ズボラ過ぎたきが…)
私の心配をよそに、トモは美味しそうに幸せそうに食べていて、安心した。
「メッチャ美味しかった。俺、こうゆうのが好き。ズボラ飯、お前と一緒に毎日食べたい。」
トモは私にそう言った。私は嬉しくてにやけてしまうのを隠すように、
「暑いし、デザートにアイスでもっ…」
って、言い終わる前に、トモは私の腕を掴み自分の元に引き寄せた。
「デザートは。お前がいい。ダメとは言わせないよ!?」
はいっ。キュン死にです私//////
日常生活の合鍵
「はいっ。これ合鍵。」
トモは、一緒に住むかとかそんな話をすることなく、普通に私に渡した。
始めてもらう合鍵。
それが、あの山下智久!!とはいえ、私は山Pとしてではなく、トモとして、別に見ていた。
普通に喧嘩もするし、たまたま出会ったのがジャニーズに入ってただけ。と言う感じで。
その方がいいと思ったからだ。
買い物に行く度に少しずつ増える、二人の日用品。
歯ブラシ、ペアマグ。小さな全てが幸せだった。
「お腹すいた〜。」
って、朝ごはんの支度をしている私を、後ろからバックハグ。
(おいっ。反則だよ…ドキドキ止まらん)
「休みの日だし。まだいいよ。二度寝しよっ?」
って、トモは私をお姫様抱っこして私はベッドに逆戻り。
ルックスも完璧、言ってることもカッコいいのに、無防備に私に見せる寝顔は、私だけの秘密。
こんな休日もあれば、忙しい日々ももちろんやって来る。
バタバタと仕事に出かけたトモが、
「忘れ物した。」
っと、良い私の元に来て、抱き寄せキスをした。
「いってきます。」
はいっ。私の毎日は、今日もこんなドキドキから始まるのです///////
編集後記
読んでいくと、とてもドキドキでした。
なんか、幸せ感が最高に伝わってきます。
山ピーをトモって呼んでいるんですね。
ジャニーズと付き合ったのでなく、付き合ったのがたまたまジャニーズだったんですね。
チョ~羨ましい~
コメントを残す