私、生田斗真の彼女です
素直すぎるイケメン
「やっぱり、飛ばない…ヘボすぎる」
なぜ、20歳をとっくに過ぎた私が、一人河原でキャッチボールの練習をしているのかというと、今度、隣に住む小学生の男の子とキャッチボールをする事になったのだ。
何やら、お父さんが単身赴任で相手がいず困っていたら、お母さんが私を勝手に推薦したらしい。
なんとも迷惑な話だ。
私は短距離、長距離と得意な方だったが、悲しい事に、“足早い=スポーツ万能” っていうタイプの人間ではないのだ。
球投げも、恥ずかしいぐらいに飛ばないし、バスケ部だったくせに、ボールは正直今だに怖い。
体は、長座で座ることすらやっとなくらいで、器械体操もダメ。
しかし、プライドの高い私はこんな恥ずかしい姿は見せられないと、一人河原で練習を始めたのだ…。
「へえ。こんなに、ボールが飛ばない人いるんだね。」
っと、私の隣にやってきたスタイル抜群の、いかにもスポーツ万能モテます系メンズが、悪気なんか感じられない感じに、普通に言い放った。
(何こいつ。なんて失礼なんだ…。まあ、事実だから仕方ないけど…。ってか、恥ずかしいわ、こんな所見られて(( ; ; ))
「あっ。ごめんごめん。つい本音が(笑)
っでも、なんで今更キャッチボールの練習してるの!?」
私は、話す必要もなかったが、男の子とキャッチボールの相手をするために練習していること、昔から、苦手なことを話した。すると、彼は言った
「よし、わかった。その子のために練習しよう。俺、付き合うよ。だって、このままだとその子、かわいそうだもん。」
(また、なんてデリカシーのない…。でも、ここはお世話になっておこう。彼のいう通り、このままでは話にならん。)
それから彼は私にボールの投げ方から教えてくれた。
何回か会ったが、これたらくるという感じで、約束はしていなかった。
もっと上手くなったところを見て欲しいと思う反面、私は彼に会うのが正直楽しみだった。
男の子とキャッチボールをする当日、彼はグローブを持って来てくれた。
(いや、お前が相手した方が…)
と思ったが、彼が楽しそうに見ているので、私は何か嬉しくてそのままにした。
男の子はキャッチボールが終わると、満足そうにまた次の週末に一緒にやる約束をして、家に帰っていった。
彼の心をキャッチボール?
「よし。今までの練習の成果を見てやる!」
っと言って、私にグローブを渡し、私はそれを受け取った。
私が投げると、成長を実感するように、ニコリと微笑み、突然ボールを構え、投げながら言った。
「お前が、好きだ。お前の気持ち分投げ返せ。」
私は、予想もしてなかった言葉に、驚き、そして嬉しくて、全力で彼にボールを投げた、彼の元へと駆け寄った。
彼の胸の中に飛び込んだ私は、幸せいっぱいだった。それから私たちは連絡先を交換した。
“生田斗真”
(っておい!!本物ではないか!!!!!!)
「驚いた?いや、知ってた?(笑 なんか、少年のために頑張るキミが頭から離れなくて…。キミなら、俺を一人の男としてみてくれる気がしたんだ。)
正直私は、彼が生田斗真本人とかそっくりさんとかどうでも良かった。
似てると思っていたが、聞かなかったのは、正直それに対して重視していなかったからだ。
彼が好きって事が、一番大切だから。彼は続けて言った。
「よろしくね。俺の彼女」
私は、幸せいっぱい、満々の笑みでコクんっと頷いて、彼に寄り添った。
甘い罰ゲーム
「ほら、寝てた〜。おはよう」
私が、目を覚ますと彼の膝の中にすっぽり埋まっていた。
(あっ。野球見てる間に寝ちゃったんだ私…。)
キャッチボールを始めてから、今まで全然知らなかった野球のルールを教えてくれたのだが、バスケやサッカーなどのシンプル競技しか対して知らなかった私には、人に触れてないのにファールってと言った具合で、今だによく理解していない…。
彼の膝の中は心地よく、ついつい眠ってしまう。
「もお。重要なとこ寝ちゃってんじゃん。でも、子犬みたいに寝てるから、可愛くて起こせないじゃん。このゲーム、一番の反則だな。」
って、トウマが言いながら、私の頭を撫でた。
(いやいや、あなたのその言葉と、イケメンさの方が反則です//////)
私は、急に恥ずかしくて、隠すようにうつむいた。
すると、トウマは私の体をひょいと持ち上げ、ベットに降ろし、甘いキスをした。
「反則したワンちゃんは、罰ゲームね?」
彼の甘い言葉に、胸のドキドキが止まらない私は、今夜も眠れなそうにありません!!
お前は俺のモノ
ある日、トウマの家のマンションの下ですごく綺麗な女性を見かけた。
読モだと言われても納得できるほどのルックスを持っていた。
(トウマもあんな綺麗な人と付き合えるはずなのに、私でいいのだろうか。もしかして、本命の彼女登場とか…。)
私の頭の中は、不安が駆け巡る。
そして、そのまさか。
トウマがエントランスから出てきて、その女性の元へと駆け寄った。
その様子は、とても親密で頭の中が真っ白になった。
行くか、行かないか迷った。
その場から動けず、立ち尽くしていると、電話が鳴った。
トウマからだ。
出ようか迷ったが、出ないのも不自然なのでとりあえず、電話に出た。
「もしもし。今どこ?ちょっと遅いから、心配しちゃって。下で待ってるから」
私は、別れ話をされる準備ができておらず、とっさに誤魔化すことにした。
「大丈夫だよ。ちょっと、用事があって…今ね…」
すると、彼は全て悟ったかのように言い返した
「隣の路上ライブの音、聞こえてるよ?オレんちのすぐそこでやっているのと同じやつ。」
(しまった…。)私は昔から、こう言う抜けているところがある。
私がもうすぐそこの彼のマンション付近にいることも、美女を見て立ち止まっていることもお見通しなのだ。
私は、もうダメだと諦め、しぶしぶ彼のマンション下へ向かった。
(なるべく笑顔でいよう。振られて泣くのはプライドが。)
「紹介するよ。この人、俺のアネキ。」
(えっ…?????)
私はこんな綺麗な女性がお姉さんだという事、勝手に勘違いをしていたことが恥ずかしかった。
そして彼は、私の腕を掴み、グッと自分の方に引き寄せた。
「っで、これが俺の女。」
(俺のって///////もう。思考回路停止中です)
そして、目の前にいる綺麗な女性は私に微笑みかけてくれた。
なんとも美しい女神のようだった…。
話を聞くと、たまたま休みが取れてトウマに連絡したところ、私を紹介したいというのでわざわざ時間を合わせてきたらしい。
少し話して、美人なアネキは帰って行った。
二人になってすぐトウマが言った。
「ねえ。なんでお前家の前まで来てて、場所ごまかしたの?もしかして、アネキを彼女だと思って?」
私はなんだか、馬介された気がして。
少しぶっきらぼうに言った。
「そうだよ。悪い?私は、トウマみたいにイケてないし、不安なんです。」
すると、トウマは黙ってこっちを見て私を強く抱きしめた。
「馬鹿かお前は。アネキに紹介すんの初めてなんだよお前が。一生懸命で、でもダメダメなところがあって、目が離せなくて…。正直俺も余裕ないんだよ。お前を捕まえておきたい。どこにも行かないように。俺のそばにいて欲しくて…」
私は、こういうトウマの部分が見れて嬉しかった。
私しか知らない私だけの彼。
何か伝えたかったが、相変わらず言葉が出てこず困っていたら。
彼はおでこに額を寄せ、
「お前は、俺に守られてればいいから。」
そういって、甘いキスをした。
こんな私は、これからもトウマの彼女。
編集後記
妄想が半端ないですね(笑)
これからも、ずっと斗真の彼女でいてくださいね。
斗真のファンは多いから、バレないように気を付けてください。
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